お金×オークション×目的追加

 

 

 

飛行船に乗ってやってきた天空闘技場。

受付を済ませて、試合を待つ間に会長に教えてもらったウイングさんの連絡先に連絡を入れてみた。

 

 

会長からも連絡してくれていたようで、今日の夜会う約束が出来た。


他の選手の試合をボーっと見ていると、アナウンスが流れ私の試合の順番がやってきた。

 

 

「よろしくお願いします。」

 

 

 

挨拶をして位置につく。

相手は強面の私の3倍くらいのサイズ。

 

 

 

「女だからって手加減出来なくてわるいな。
なんなら今晩俺に付き合ってくれたら考えてもいいぜ。」

 

 

相手はにやりと笑った。

う~~気持ち悪い!!!ってかムカつく

 


私は合図と共に相手の横腹に蹴りを一発入れ、相手は可哀想になってしまうほど、無残に壁へと激突している。

あ~ありゃ折れたな・・・。


「50階へどうぞ。」
 

 

 

私はそう言われて50階受付へと昇って行った。

 

 

そのまま順調に勝ち進み、無事夕方には100階へと到着した。


 

与えられた個室で少しゆっくりした後、ウイングさんとの約束の時間が迫っていたので、闘技場を出た。


約束の10分前にウイングさんの家に着くと笑顔で迎え入れてくれた。

 

 

 

「はじめまして。矢守菜々実です。
急に連絡して申し訳ありませんでした。」

「いえいえ。会長からも連絡頂いてますし、お気になさらずに。」

 

 

そう言ってアニメのままの優しい笑顔でお茶を出してくれた。

 ウイングさんは弟子のズシに部屋を出る様に言うと、向いの席に座った。


 

「ところで私にお願いがあるそうですが?」

 

 

「はい。1か月後に第287期ハンター試験合格者が2名天空闘技場に来るはずなんですが、裏ハンター試験をお願いしたいんです。」

「なるほど。あなたは既に会長直々にと聞いています。」

「あはは。何せ珍しかったらしいので半分危険分子扱いだったのかと。
今考えたらですけど。」

 「もしよければ水見式だけでも見せていただけませんか?」


 

そう言うウイングさんに快く了承すると、そっと席を立った。


 

 

「申し訳ありませんが外に出てもらってもいいですか?」

 

 

私がそう言うとウイングさんは首をかしげながら外へとでてくれた。

 

 

近くの公園にやってくると、私はウイングさんが持って出てくれた水の入ったグラスに手を当てる。



水が溢れだしたかと思うと、浮かんでいた葉が成長して、その衝撃にグラスが割れる。

そのまま成長した葉は立派な桜の木になった。


「これはすごい!!」

 

 

ウイングさんは桜の木を見上げながら目を丸くしていた。

 

 

「もったいないですが、邪魔になるのでこの桜は処理しますね。」

 

 

 

私はそう言って朱雀を呼び出し『烈火の道標』で桜の木を一瞬で焼きけした。

 

 

 

「今のは?」

「私の念能力の一つです。」

 

 

 

私は烈火の道標について説明した。
私達はそのまま夜の公園を少し散歩しながら話をした。
 

 

「素晴らしい。それをハンター試験中に習得したとは恐ろしいかぎりですね。」

 

「いつの間にか少し出来ていたみたいで・・・(笑)
それよりさっきの件お願いできますか???」

「はい。正式にお受けいたします。
私が教えられることはすべて教えたいと思います。」

「ありがとうございます。
私もその子達と一緒にここに帰ってくるつもりですので。
よろしくお願いします。」

「わかりました。ではまた。」

「はい。」

 

これでキルアとゴンは少し早めに念の修行が始められるはず。 

その事でG・Iでは有利になるだろう。

 

 

会釈してウイングさんと別れ、私は満足げに闘技場へと足を向けた。

 

戻る途中視界に入ったのは本屋さん。

暇つぶしと情報収集の為、そのままお店に入った。

 



 

 

ヨークシンのオークションの事ちゃんと調べとくべきやな

色んな雑誌と本を買った。


部屋でみていると、ある雑誌にサザンピースオークションに出るであろう商品一覧が載っていた。


「うお!!!!
これってもしかせんでももしかする!!??」

 

 

幻の銘酒セットが出ている。
30本のお酒の中になんと私のいた世界で、しかも私の大好きなお酒が3種類あったのだ。

 

 

幻の日本酒〇龍の『石〇屋』
大好きなシャンパン『モエ・〇・シャン〇ン』

 

 

ブランデーの『リシャール・〇ネシー』


これは本間か確かめな・・・。


予想価格は30億。


もし本当なら、9月1日まの約7ヶ月ここで150~190階をうろうろすれば70億位にはなるはず・・・。

 

 

欲しい!!
もしほんとなら私は酒30本が欲しい!!!!


ゴン達は20日くらいかかるとして・・・。
明日200階の登録ができたら、ヨークシンに・・・。よし!寝よ。

私は数日の予定を少し変更する事を決めて、明日に備えてベットへと潜り込んだ。

 

 

 

翌朝。

早朝一番で試合に呼ばれた。

未だに蹴り一発で何とか乗り切れている。

ラッキーなのは100~190階までで200階クラスを生き抜いていけそうな奴に当たらなかった事。


私は難なく200階へとたどり着いた。

 
絶の状態で200階に上がったはずが、なぜかヒソカに出迎えられてしまう。

 
「やぁ。さすがだね。早かったじゃないか。」

 
「う~~何でばれたん!?」

「190階の試合が終わった時点で絶の状態で入ってこなくちゃ。
エレベーターに乗ってからじゃ遅いよ。」

「ちぇっ!まーいいんやけど。
とりあえず登録してくるは。」

「行っておいで。その後僕と食事にでもいかないかい?」

「ヒソカのおごりなら行く。」

「かまわないよ。
じゃーここで待ってるよ。」

 
私ははーいと返事をしながら受付へと向かった。


受付のお姉さんが詳細を説明してくれる。

 
「あの。もしここで4敗して失格になったらどうなるんですか?」

「失格になった場合はまた1階からやり直していただく事になります。
ですが正確にいいますと、1階に降りていただいても150階からのスタートになる事が大半です。」

「なるほど・・・。」

「ですが、200階に2回上がられて1勝もできなかった方に関しては、資格なしという事になり、次回1年間は登録できなくなります。」


「ほっほ~。汚い話、200階に上がって1勝4敗して、150階から上がってきて、200階で1勝4敗して~・・・。の繰り返しでもOKなんですか?」

「はい。かまいません。」

「了解です。お姉さんありがとう。
ちなみに今200階で女の人っているの?」

「ただ今は矢守様お一人様です。」

「そっか。ありがとう。」

 
部屋へ荷物を置くとヒソカが待つエレベーター前廊下へと向かった。


「何か食べたい物はあるかい?」

「肉、牛肉。そんでもって美味しいお酒。」

「ならあそこがいい。うん。行こうか。」

 

 

そう言ってヒソカはお店を決めたらしく歩き始めた。

 

 

「ねぇ?もう一人呼んでも大丈夫かい?
僕の知り合いなんだけど、君と話したがってるんだよ。」

「ってことはイル兄?」

「ご名答。さすがだね。やっぱり君は頭がいいね。」

「そりゃどーも。
いいよ。私もゆっくり話したかったから。」

 

 

そう答えるとヒソカはイル兄に電話をかけた。


1時間後、ビルの30階にある焼肉店でイル兄を待っていた。

 

 

「イル兄遅い!もー食べてるから。何飲むの?」

 

 

私はイル兄が来るなりメニュー表を渡した。

そんな私を見ながらヒソカはにやにやしている。

 

 

「ヒソカにやにやし過ぎ・・・。」

 

 

そう突っ込みながらいい感じに焼けたお肉をほうばった。

 

 

「キルを迎えに来るんじゃなかったの?ゴン達は来てるよ。」

「行くよ。明日ヨークシンに行って、サザンピースオークションの申し込みして、キルアを迎えに行くつもり。」

「余裕だね。」

「ゴン達との時差を考えると十分かなって。試しの門は開けられると思うし。
イル兄?もし私が試しの門を7枚とも開けられたら、そしたらシルバさんに会える?」

「会えるよ。
今まで家族以外で7枚とも開けた人なんていないから。きっと親父かゼノ爺ちゃんが出てくると思うよ。」

「そっか。よかった。」

 

 

私は安心するとどんどんお肉を口に運んでいった。

 

 

「キルとは友達ってやつなの?」

「いんや。友達じゃない。」

 

 

イル兄の質問に私は箸を止めることをせずにあっさり答えた。

 

 

「それって・・・。」

「うん。お互い好きってやつ。
あっ!2人とも今歳の差の事考えたやろ!?私も考えたよ・・・。
でも好きな気持ちは変わらんから。この先のキルアを見守りたいとも思うし、良い男になるで~♪」

 

 

私ビールを一気に飲んでイル兄とヒソカに宣言した。
そんな私に2人は目を丸くした。
 

 

「すごい自信だね。」

 

「うん。だって自分が好きな人の事はどこまでも信じられるから。
だからこの先私はキルアのそばを離れへん。
って事はキルアの家族にちゃんと私の事も認めてほしいから。
だからなんでも頑張れる!以上!」

 

 

 

そう言いきるとビールのお代りを店員さんにお願いした。

 

 

 

「イル兄はキルアってか殺し屋に友達なんていらないと思ってる??」

 
私からの質問にイル兄は顎に指を置いて考えこんでいる。
「友達なんていてもしょーがないと思うけど。」

「じゃー言い方を変えてもう一つ質問。
イル兄にとってヒソカとの関係は?」

「ヒソカか・・・。気が向けば一緒に行動もするし、まー用があれば連絡はするけど。」

「それって友達でしょ。
まーゴンとキルアはまだ幼い分べったり一緒にいたいと思うやろーけど。」

「俺とヒソカが友達・・・。」

「そっ!
私とヒソカは違うけど(笑)」

「おいおい。それはちょっとつめたいんじゃないかい?」

「あれ!?そーお?
まっ!そこは考えとくは」

 
そう言って私は笑っていた。
イル兄はまだ少し考えていた。


「別に殺し屋に友達がいてもいなくてもいいと思うけど。
いて何か問題ある?
殺し屋やめたいって言うから?
そんなん友達できる前にそー思って家でてるし。
今回なんて迎えに行くって言ってあるからキルアはちゃんと家に帰ったんじゃないの?
友達が出来て悪いことだらけじゃないと思うな。
あっ!友達もやけど、恋人もダメ?不必要?
それはないよな。」

「何だか君と話してると、友達がいようといまいとどうでも良くなってきちゃった。」

 
イル兄はそう言って頼んだクッパを食べ始めた。

 
「それもそうだね。
いてもいなくても本人次第だと僕は思うけど。」

 
ヒソカもなんとなく納得してくれてる様子。

 
「というわけで、1週間後くらいに
ククルーマウンテンに行くから。
よろしくね。」

「よろしくされても何もしないよ。」

「うん。試しの門から入って必ず本邸にいってキルアの家族に会って認めてもらう。
そんでもって堂々とキルアとみんなで出ていく。
ちょこちょこ家に帰るようには言うから。」

「まーいいんじゃない。好きにしなよ。」

「うん。好きにする。
すいませ~ん!!
ユッケ1つとビール追加で♪」

 
私は店員さんに追加しながらイル兄に満開の笑顔を送った。

 

 

 

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