再修行×会長×制約と誓約?

 

 

 

 

天空闘技場に着いた私たちは受付を済ませた。

ゴンとキルアは今日組まれる試合をこなしていく。
私はその間にウイングさんの元を訪れた。

 

 

 

「お帰りなさい。
お2人も一緒じゃなかったんですか?」

 

 

 

1人で部屋の前に立っていた私を見てウイングさんが首を傾げる。

 

 

 

「なんじゃちびっこどもはおらんのか」

 

 

 

部屋の奥からネテロ会長がひょっこり顔を出す。

「会長!!何でここに!?」

「お主を待っておったんじゃ。」

「私を??」

「はい。3日ほど前からお待ちでしたよ。」

 

 

 

ウイングさんに勧められて部屋へと入った。

「お主の念能力は万能じゃがどーも本人単体が強化されん。
そこでお主に再修業をしてやろうと思ってな。」

「再修業!?」

「そうじゃ、四大行は身につけた。発もしっかり形になっておるし技の数も大したもんじゃ。
だが、折角武術に秀でておるのにどーも四聖獣に頼り過ぎておる。」

「ごもっともです・・・。」

 

 

自分でも気づいていた。
四聖獣に頼り過ぎている。
肉弾戦になれば私は普通の人間と大差ない。
なぜなら応用を全く無視してきたからである!!
って全然いばれない・・・。

 

 

「折角150階~200階をうろうろするならこれを機会に肉弾戦強化の修行を・・・。
と言うことじゃ。」

「なるほど!それならすぐに実践もできるってことか。」

「その通りじゃ。」

「わかりました!よろしくお願いします!!」

私は会長に頭を下げた。
天空闘技場に二人を迎えに行くと、無事100階までたどり着いていた。

 

 

「じゃーウイングさんの所に行こっか。
今日から念の修行スタート。
私も会長に応用の修行つけてもらうから。」

「じぃさんも来てるのかよ(笑)」

「そっ!ちなみに君たちの師範は会長の弟子の弟子。」

「弟子の弟子!?」

「そっ。教えるのがとっても上手。」

 

 

私はウイングさんの所に向いながら会長とウイングさんの紹介をしておいた。

 

 

「ちなみにズシって言う子は既に修行を始めてる。
仲良くね。」

「はいはい。」

「菜々実怪我してるのに修行するの?」

ゴンは心配そうに私を見る。

 

 

「大丈夫。傷が治るまでは実戦はしない。
単純に念の修行をするだけ。
後は技の強化と完成度・性能のアップもね♪」

「それならいいけど。
無理すんなよ。」

 

 

 

キルアは前を向いたままぶっきらぼうに言い放つ。

ん~素直じゃないな・・・。

まっ心配してくれてる証拠か(笑)

私たちの念修行が始まった。

 

 

 

「さてと、ちびっこはウイングに任せてわしらも修行に入るぞ。
とりあえずは四大行のおさらいからじゃ。」

 

 

そう言われて私は復習を始めた。

 

 

纏。
通常は垂れ流しになってしまうオーラを身体に留める。

絶。
オーラを完全に絶って気配を消す。

錬。
纏で体に留めたオーラを一気に増幅させる。

発。
四大行の集大成。
いわゆる念能力と呼ばれるもの。

いつも自然にやっているよりも集中して丁寧にこなす。

 

 

「やはり菜々実の錬はオーラの量が異常なぐらいじゃな。」

「ん~でもまだまだ行ける感じかな・・・。」

「四聖獣4体を維持できるのはこの底なしのオーラのおかげじゃな。」

「多分(笑)」

「よし、さすがわしの弟子と言ったところかの。
では次。」

凝。
錬で練りだしたオーラを目に集中させる。

「うむ。大分早く出来るようになっておるな。
出来れば瞬きくらい自然にできると良いの。」

「うん・・・。今で0.7秒くらいかかるかも。」

「常に意識しておくことじゃ。まー合格範囲内じゃ。
次。」

賢。
錬の状態を維持する。
全身を通常よりもはるかに多いオーラで覆う。


「うむ。問題なしじゃ。
ここまではわしが試験中に教えた念修行じゃ。」

 

 

「はい。出来れば円の習得をしたい。」

「なぁに、お主のオーラの量が効じて円は簡単にできるはずじゃ。」

「そーなん!?」

「円はオーラを広げて使うもんじゃ。必然的に練りだせるオーラの量が多いと範囲も自ずと広がる。」

「なるほど。」

 

 

私は錬で練りだし、花が開く感じのイメージを浮かべた。

 

 

「さすがじゃな。
どんな感じがする?」

「ん~キルア達がいるのがわかる。あと道を歩いて行く人たち。
今で15人くらいはわかるかな。」

「15人か。上等じゃ。
だいたい200メートルくらいじゃな。」

「200メートル。広いの?狭いの?どっち?」

「十分広い方に属する事になるの。まー世の中には上には上がおるがな。」

「ふーん。まーいいや(笑)
でももっと難しいんかと思ってた。」

「そーじゃな。どーもオーラのコントロールとイメージ力。才能の問題もあるし、やはり長年武術をやっていると精神が研ぎ澄まされておるからの。」

「ふーん。
って私さっきかふーんしか言ってない気がする(笑)」

「では次。」

 

 

 

私はネテロ会長と念の修行を行った。

 

 

★☆★☆★


 

 

2週間後。

肩の傷も落ち着いてきて試合許可がでた。

それから毎日修行と試合の繰り返しで150階から200階を行ったり来たり繰り返していた。

ゴンとキルアも順調に修行を進めていた。



「お!菜々実じゃん。」

200階の廊下を歩いているとキルアと出くわした。

「久しぶり(笑)順調らしいやん♪」

「まーね。菜々実の方こそ順調に稼いでんの!?」

「うん。順調(笑)なんとかオークション資金と飛行船資金貯まりそう(笑)
ゴンはとうとうヒソカと戦うんやっけ??」

「うん。菜々実はまだヒソカとは?」

「まだ(笑)あ!でもこれからヒソカとちょっと出かける。」

「はぁ!?俺聞いてないし!!」

「さっき電話かかってきて、イル兄と3人でご飯。イル兄キルアの修行の進行具合が気になるらしい(笑)愛されてるってか過保護ってか(笑)」

「なんか嬉しくない・・・。」

 
げ~っと吐く真似をしておどけるキルア。

 
本当はご飯の後飛行船の下見に連れて行ってもらう予定。
でも内緒♪

 
「じゃー頑張って!ヒソカ戦は見に行くから。」

「菜々実今晩部屋行くから。」

 
キルアが心配そうな目をしながら私の腕をつかんだ。

 
「わかった。待ってる。」
笑顔で返事を返して私はエレベーターに向かった。


私はヒソカとイル兄と食事を済ますと、本来の目的の為空港に来ていた。

 

 

「大体、価格としては大きさ、デザインによって変わってきます。
維持費に関してはそう大差はないと思いますよ。」

 

 

担当者とパンフレットを見ながら頭を悩ませていた。

 

 

「ちなみに僕のはこのサイズだけど、乗り心地も良いし、満足してるよ。
ただ菜々実が使うにはゆったりすぎるかもしれないね。」

 

 

ヒソカが使ってるのはかなりゆったりタイプの物。
少し頑張れば買えない額じゃない。

 

 

「こっちのタイプでも問題ないんじゃないかな??」

 

 

イル兄がさしているのは部屋の広さ的には18畳くらいの広さ。
シャワールームとトイレ・キッチンが別でついての広さ。

 

 

「ん~。これだとソファーもベットもおけるよな~。」

「でもきっと菜々実はシャワーよりバスルーム付き方がいいんじゃないかい?」

「確かに。窓とかついてたら最高かも(笑)」

「そうですね。間取り等はご相談可能ですよ。」

 

 

担当者のその一言に思わず目をキラキラさせてしまう。

 

 

「じゃー折角だからあっちのラウンジで少し早いけど飲みながら考えようか?」

 

 

ヒソカの提案に3人で空港内のラウンジに移動した。


窓向きのソファー席で私はあーでもないこーでもないと悩んでいると2人は温かく見守りながらアドバイスをくれた。

結局私は24畳ほどのワンルームタイプの物にした。

 

 

ベットスペースとして使う8畳ほどを階段3段程高さをあげ。
リビングスペースには大きな窓をつけてもらって、カウンター席をとりつけてもらう。

 

 

結局バスルーム付きにし、やっぱり窓をつけてもらった。
どの窓もロールタイプのブラインドを付けてた。

 

 

冷蔵庫も大きめにして、数本入る程度のワインセラーも用意してもらった。

整備・操縦・食事等全般の事を担当してくれる人を1人、2年契約で契約した。
 

 

自動操縦可能なタイプだから契約しなくても良かったけど、ヒソカが1人だけでもいるととっても便利だと言っていたから。
 

 

2年で2000万ゼニー。
折角だから契約してみた。

 

 

「内装は決めたからいいけど、外装はどーするのさ?」

 

 

イル兄がまた悩むんでしょーと言いながら笑っている。

 

 

「外装はもー決めてる(笑)」

 

「いつの間に決めたんだい?

パンフレット見てた?」

 

 

ヒソカが不思議そうに私を見ている。

 

 

「ふふふふふ~。ブタさん。」

 

 

私は人差し指をピッとたてて何の迷いもなく言いきった。

 

 

「豚??なんで豚なの!?」

 

 

イル兄は理解できないという顔をしながら私を見る、

 

 

昔から好きなん(笑)丸い形にもぴったり♪

黒のブタさんで!」

 

 

私は担当者の人と契約を交わし、私の飛行船の工事が始まった。



意外と悩んでしまった事もあって少し予定より遅い時間になってしまった。

やばい!!キルアが待ってるんやった。

私は慌てて天空闘技場へと帰った。

 

 

 

エレベーターを降りると慌てて部屋へと向かった。

廊下を曲がると部屋の前に黒い影がある。

駆け寄るとドアにもたれて座りこんでるキルアだった。

 
「キルア・・・。」

「遅い。しかも酒臭いし。
今晩帰ってこないかと思った。」

 
キルアの声が心なしか震えていた気がした。


「ごめん。思ったより時間かかってもて。」

「何やってたんだよ?」

「空港行って飛行船買う準備してた。」

「飛行船!!??」

さっきまでの低くて不安げな声は一変して声がひっくりかえりそうな程になっていた。

 
「会長と協専のハンターになる約束してもて・・・。
これからうろうろする事も増えるから、あると便利やしって思って。
だからイル兄とヒソカに所有者の意見を聞きたくて、付き合ってもらってたん。
おかげで良いのが契約できた。」

 
私が笑顔で説明するとキルアはがっくりと肩を落としている。

 
「なんか要らん心配してた??」

「なっ!!そんなもんしてねぇよ!!
俺シャワー浴びてくる!!」

キルアは真っ赤になった顔を隠すように俯いて足早にシャワールームへと消えて行った。

ふふふふふ。顔真っ赤。

私は声に出さずに笑ってしまった。


キルアがシャワーを終えると入れ替わる様に私はシャワーを浴びた。


「キルア~~。」

 

 

シャワー室から出てベットに腰かけていたキルアに飛びついた。

 

 

「うわぁぁ!!
なんだよ急にっ!」

 

 

びっくりするキルアを無視して私はキルアの首に手を回してキルアの頬に自分の頬をくっつけながら、ただいま。と囁いた。


「おかえり。」

 

 

そう言ってキルアは私の腰に腕を回して自分の膝の上に乗るように促した。

 

 

「今日何か用事があったんじゃないの?」

「最近会えてなかったからさ。
たまには一緒に居ようと思っただけ。別にこれと言って用があったわけじゃない。」

「そっか。じゃー今日は一緒に寝れる?」

「ああ。久し振りだから俺何するかわかんないぜ?」

「残念ながら何もさせません。」

 

 

 

キルアはちぇっと舌打ちしながら私のほっぺたをつねる。

 

 

「理由は?」

「最近結構疲れてるから(笑)
ゆっくり寝たい・・・。」

「じゃーゆっくり寝かしてやるよ。」

 

 

 

そう言ってキルアは私の服の裾から手を滑り込ませる。

 

 

「だーかーらー!!!!」

 

 

私はキルアの腕をつかんで止めるけど、その瞬間キルアは強引にキスをしてきた。
そのまま深くなるにつれて私の腕の力は抜けていく。


結局私はキルアにされるがまま・・・。

意識を手放すまでキルアの好きにされてしまった。

 

 

 

 

★☆★☆★


 

 

 

翌朝会長との修行の中で私はずっと悩んでいた事を打ち明けた。

 

 

 

「誓約をつけたらどうなりますか?」

 

 

 

私の突然の質問に会長は目を見開いていた。

 

 

「なんじゃ突然?」

 

「水の揺り籠(ブルーBOX)は呼吸のコントロールはできるけど中からの攻撃にどこまで耐えられるかわからんし・・・。

絶の状態にならんかなって・・・。」

 

 

ほっぺたを掻きながら会長の出方を見る。

 

 

「ん~。出来んことはないはずじゃが?リスクは決めておるのか?」

「カウント10。
使える回数を決めておく。ってのは無理??」

 

「生涯で10回だけか。

なるほどな。切り札に使うには良いかもしれんの」

「やった~~!!
じゃ~決まり!」

 

 

私は部屋を跳ねまわってい喜んでいると

 

 

「やはり頼る癖は治らんようじゃな。」

 

 

 

大きなため息をつきながら会長はお茶を飲んで少し呆れている。

それを横目で見ながら私はご機嫌で念修行を再開した。




生涯に10回だけ使用する事が出来る氷の揺り籠(ホワイトBOX)

水の揺り籠(ブルーBOX)に絶状態になってしまう能力を追加・・・。
追加方法は企業秘密・・・(笑)

キルアを迎えに行って、天空闘技場に来てから4か月。

ゴンとキルアももうすぐ念の修行第一段階を終える。

私はこれから8月末までネテロ会長との修行とファイトマネー集めを続ける事になる。

キルアとはもー少ししたら2ヶ月くらい会えんくなるな・・・。

 

 

 

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