いや~やっぱりここに来て頂く方はキルア好きと言う事で離ればなれになっている時の切ないキルアでも書こうかなと…
なので菜々ちゃんは今回は不在。
キルアの心情ですね。
はい。
「キルア!明日も修行なんだからさっさと寝るんだわさ!!」
「あぁ。もう寝る。」
ヨークシンでの夜景とは違って星がはっきり見える空を見上げながら、あの日の事が忘れられずに空を見上げていた。
G・I に入って3ヶ月。
奈々実がいなくなってビスケとの修行が始まって、がむしゃらに修行に打ち込んだ。
あいつがいなくなる事を考えた事なんてない。
なんて言いきれない。
何度も考えた事はあった。
階段から落ちた奈々実に手を伸ばしても、俺の上に奈々実が落ちてくる事はなかった。
ただ、目の前から消えた瞬間何が起こったのかわからなかった。
あの後、放心していた俺はビスケに引きずる様にバッテラの家まで連れていかれてこのゲームの中に入った。
何日かはあれが夢だった様な気がして信じられなかった。
「なぁ、菜々実。
お前今何やってるんだ?」
今にも届きそうな星空に手を伸ばしても届くはずもなく胸元のネックレストップの鈴が小さく鳴った。
「キルア?」
後ろからゴンの声がしていつもの調子で返事をするつもりが言葉が出なかった。
ゴンは俺の隣に寝っころがると明るい声で話し始めた。
「ずっと前みたいだね。こーやってクジラ島でキルアと一緒に空見てたの。
あれから色んな事があったけど、俺キルアのそんな顔初めてみた。」
(そんな顔?)
「俺今どんな顔してるんだ?」
「ん~とね…」
「泣きそうよ。菜々実が恋しくてしょーがないって顔だわさ。」
ゴンの言葉を遮る様にビスケの声がした。
何も答えない俺の横に座るとそのまま話を続ける。
「奈々実にね、頼まれてたの。もし、自分が元の世界に帰ってしまう事があったら2人をよろしくって。
あの子、常に覚悟してたのね。自分が帰ってしまうかもしれない事を。
みんなには感謝してるんだって。いっつも笑ってて欲しいんだって。
あの子は強く見えても女の子なのよ。
キルア、あんたがそばにいる事で強くいられたんだわさ。」
ビスケの言葉に驚く様に顔を向けるといつもと違う何かを悟った様な目で空を見上げていた。
「俺が?」
「そう。女はね、好きな相手がそばにいればなんだって出来るのよ…。」
「奈々実今頃何してるのかな?」
ゴンの少し淋しそうな声に俺は心配掛けたくなくてい明るい声で答えた。
「何してるんだろーな?きっと飯食って酒飲んでるぜ?」
そう言ってゴンと同じように空を見上げながら寝ころんだ。
「いいのよ。辛い時は正直になりなさい。
誰もあんたを笑ったりしない。辛くて当たり前なんだから。」
ビスケは優しい表情で俺に軽くでこピンするとまた何かを探すように空を見上げた。
「いや。菜々実は俺よりもっと辛いと思うからさ。だって俺はみんないてくれるじゃん。でも菜々実は…
だから俺が淋しがってるわけにいかないって言うか。」
「ねぇキルア?菜々実探そうよ。」
ゴンはいい事を思いついたとばかりにガバっと身体を起こすと俺を見下ろした。
「探すったってどうやって探すんだよ?」
「そうだわさ!!
時空を渡る能力者!探せば何とかなるかもしれないじゃない!!」
珍しくゴンの意見にビスケが載ってきた。
「時空を渡る?」
俺は2人の言ってる事に半分呆れなが話しの続きを促した。
「そう。実際この世界に存在しないものが闇オークションで流れてるって事は、こことは別の世界に行ける奴がいるかもしれないじゃない!」
「確かに…菜々実自分の世界の酒だって喜んでオークションに参加してたもんな!」」
そうだ、菜々実の世界の物があるって事は菜々実以外の誰かがこの世界から持ってきた可能性が高い。
「そーよ!!そうと決まれば落ち込んでる場合じゃないわさ!明日街に行ってカードを入手して一旦ゲームの外に出るわよ!」
「そうと決まればさっさと寝ようぜ。」
「うん。寝よう!」
俺とゴンは飛び出す様に寝ている場所に向かって走った。
「全く。わかりやすいったらありゃしないわ。
奈々実、キルアに会わせてあげるからね…。」
ビスケの優しい声は真っ黒な空に無数に輝く星に吸い込まれていった。
~Fin~
その頃菜々実は??
こっちは半分ギャグ??