オーラ×尋問×ヒソカと会長??

 

 

 

飛行船へと乗り込んですぐ、廊下で煙草を吸っているとネテロ会長が話しかけてきた。

 

 

 

「お前さんずいぶん変わっとるのぉ?」

 

 

「またそれ???

会長・・・今日これで3人目。一体私のどこが変わってるて言うんよぉ!?
関西弁?顔?身長?歳?」

 

 

数人に言われた『変わってる』の意味の分からないセリフに流石にイラつきを隠せなかった。

 

 

「怒るな怒るな。自覚がないならすまんかった。気付いておらんのじゃな。
あっちで茶でも飲みながら話さんか?」

 

 

 

「教えてくれるん?それなら行く!」

 

 

願ったり叶ったりだ、なんて思いながら私は意気揚揚と会長の後を着いて行く。

すると廊下で偶然ヒソカとすれ違った。

 

 

「あれ?ヒソカさん。」

 

 

「やぁ、どこか行くのかい?」

 

「みんなに変わってるって言われる内容を教えてもらいに行くんです。」


 

「ふ~ん、なんだか面白そうだねぇ?」

 

 

「おぬしも気付いた1人じゃろ?」


「それならヒソカさんも一緒に来ますか??」

 

 

「暇だし面白そうだから行こうかな。」

 

 

傍から見れば何とも奇妙なメンバーで会長の部屋へと向かった。

 

 

 

 

 

前に会長、隣にヒソカと言う何とも意外言うか微妙なメンバーだと今更気付いた私・・・。

 

なんでヒソカを誘ってしまったのかと今更ながら少し後悔したりなんかして。

 

 

そんな事より今はイル兄やヒソカ、会長にまで言われた『変わってる』の正体を知る事の方が先決だと思った私は我先にと口を開いた。

 

 

 

「いきなりですけど私のどこが変わってるんですか!?」

 

 

 

何が何でも納得いく理由を教えてもらわなければならない。

 

 

「キルアやゴン達は何にも言って来ないのに・・・。」



「お主念は既に身につけておるわけではないんじゃな?」

 

 

「はい。習得したいですけどまだです。とりあえずハンター試験受けてからのつもりです。」

 

 

出たのはやはり『念』の話。

 

 

「でも君さっきも言ったけど纏がきちんとできてるんだよね。」

 

 

『纏』が出来てる??

誰が??

 

 

念なんて全く見に覚えがない。

もしかしたらトリップした時に付属されたのか?

 そんな都合のいい話はないだろう。

 

 

頭の中で色々考えてもやっぱり良く分からなかった。

 

 

「それと私が変だって事どー関係あるんですか?さっきヒソカさんに言われたのとほとんど同じ質問ですけど。」

 

 

同じ事の繰り返しでさっぱり話が前にっすんでいない事にまたイライラがつのって行く。

 

 

「それは何度もすまなかったな。
変ってるのはお主のオーラじゃよ。」

「私のオーラ?
精孔開いてもいないのにオーラ?」

「だからさっきヒソカが言ったようにお主纏が出来ておるんじゃ。」

「はぁ~!?何で?何で?」

 

 

私は驚きのあまり隣に座るヒソカの胸ぐらをつかんで頭を前後に揺さぶった。

 

 

「そ、それは、僕には分らない、よ、それよりも、少し、落ち着いてくれるかい?」

 

 

私の腕を軽く掴んだヒソカの行動に、私は自分がしている事を理解して慌ててヒソカから手を離した。

 

 

「ごめん。つい・・・。」

 

 

「まー別にかまわないよ。さっきの食事で許してあげる。
僕、とっても君に興味があるから特別にね。」

 

 

ヒソカの一瞬浮かべた笑顔に一瞬背中がゾッとする。

 

 

「あはははは・・・。」

 

 

乾いた笑いと共に冷や汗が吹き出しヒソカから視線をそらした。

 

 

「まー至極稀に武術などを長年コツコツ習得しているものが自然と習得している事もある。」

 

 

「じゃー私が変だって言う理由にならないじゃないですか。」

 

 

「オーラの色に問題があるんじゃよ。」

 

 

「オーラの色??」

 

 

「そう。君のオーラ黒いんだよ。」

 

 

「黒い!?????
普通黄色とか紫とか赤とかもっとカラフルなイメージが。」

 

 

「そうじゃな。わしも長年ハンターとして色んな人物を見てきたが黒いオーラは初めてじゃ。」

 

 

「そーいえばキルアに背中に黒い影があるって・・・。」

 

 

「ほ~纏の状態で念を覚えておらんものに見えたということかの?」

 

 

 

会長腕を組んで何やら考えこんでしまった。

 

 

 

「念を教えてもらう相手は決めておるのか?」


考えこんでいた会長が顔を上げて真剣に私の顔を見る。



「一応可能かどうかはわからないんですが、あくまで希望の話でするなら、ウイングさんかビスケさんに頼もうかなぁ~なんて思ってます。性格的に多分強化系な気がするし。」


あくまで希望。
そしてどっちも会長とはそれなりの関係の相手。
真剣な表情から目を細め、なぜか楽しそうに笑う会長。
「ほーならわしが教えてやろう。」


思わぬ提案に私は思わず座っていた腰を上げた。
「ホンマに!?
そりゃそれが一番ありがたいんですが・・・。」


「ただしハンター試験に合格することが条件じゃ。」


会長は人差し指をピッと立ててウインクしてくれた。


「私からお願いがあるんですが。」


「何じゃ?聞けることは聞いてやらんでもない。」


「念の修行なんですが、四大行を20日以内でなんとかなりますか?その後は10日ほどでまた修行の再開で9月には発をマスターしたいんですが・・・。」


「うむ。それは菜々実次第じゃな。」

 
「私の努力次第ですか・・・。」

 
「努力もそうじゃが、オーラの特性があるかもしれん。
菜々実が能力を持て余した場合は相応の対処が必要になるかもしれんからのぉ。」


能力を持て余したらきっと念を封じられる事になるんだろう。
何としても念を習得しなければ・・・。

キルアの為にも・・・。


「じゃーオーラの特性を判断するのには早く始める方がいいんじゃないかい?」


ずっと黙って話を聞いていたヒソカが口を開いた。
あまりの静かさにいることすら一瞬忘れてしまっていた。

 


「確かにそれはあるのぉ。
じゃがわしにも色々考えがあるからの。任せてはくれんか?
ヒソカ、お主には悪いが見守ってってやってくれんかの。」

 

 

「青い果実が実るまで待つのはいい。自分の手で実らせてみたいと思ったけどしょうがない。
今回は待ってあげるよ。
菜々実僕を落胆させないでおくれよ。」

 

 

ヒソカは怪しい笑顔を向けてくると、一瞬背中に冷や汗が伝う。
私の出来が悪いときっとヒソカは面白くなくて、不出来な果実は自分の手で処理してしまう・・・。

 

 

「ヒソカ・・・。私は出来る限りの努力は惜しまない。
やりたい事も、守りたい者も私にはあるから。」

 

 

「それは楽しみだね。
じゃー僕は次の試験会場に着くまでゆっくりさせてもらうよ。
じゃーねぇー。」

 

 

 

欠伸をこぼしながらヒソカは部屋を出て行った。

 

 

「私も折角二次試験のご褒美に個室をもらったからシャワー浴びて今日は寝ます。」

 

 

 

「ゆっくり休むと良い。
ではまた明日から頑張るのじゃ。」

 

 

 

おやすみなさい。と言い残して会長の部屋を後にした。

 

 

 

次へ