プレート×三点×雲隠れ

ゼビル島。

あっ軍艦島なかった。

受験者は25名まで減った。


 
とうとう第四次試験。
私のターゲットは誰になるのか。


 
ターゲットのくじ引きが始まった。

箱の中から引き出したのは・・・。

 
「・・・。」


マジですか・・・。

これは適当に3人から頂くしかないな。

 
「ゴンの奴やばいな。」

 
「うん。やばい。」

 
「菜々実は何番?俺誰が何番かわっかんねぇし。」

 
「うん。」

 
「おい、聞いてんの!?」

 
「うん。」

 
「聞いてねぇだろ?」

 
「うん。」

 
私はあまりの衝撃にキルアが話しかけている事に気付かなかった。

キルアはそんな私の様子をみて、後ろから抱きしめで耳元に口を近づける。

 
「そんなに油断してたら襲うぜ?」

 
甘く低い声にビックっとして我に返る。

 
「うわっ!」

 
びっくりしてキルアから距離をとる。

 
「お前ボケ過ぎ。で、ターゲット誰なんだよ?」

 
「そっそれが・・・。」

 
「まー後でゆっくり聞くよ。
先に入って入口付近で待ってって。」

 
「わかった。」

 
とりあえずキルアには悪いから素直に話して、適当に3枚集めよう。

今の私なら何とかなるはず。

 

 

 

 

「降りてこいよ。」

 

 

木の上で待っているとキルアがやってきた。

私はフワリと、キルアの前へと飛び下りる。

 

 

「もーちょっと奥いこうか。」

 

 

私はそう言って森の奥へと歩いて行く。

 

 

「で、誰なんだよターゲット。
俺も一緒に探してやるから教えろって。」

 

 

「ん~~。はい。」

 

 

私はためらいながら番号札を見せた。

 

 

「マジかよ。」

 

 

そう。私のターゲットは99番。キルアだったのだ。

 

 

「適当に3枚集めるから気にしないで。」

 

 

笑って私が言うとキルアは自分のプレートを差し出した。

 

 

「ううん。いいよ。大丈夫。」

 

 

「でも!」

 

 

私はキルアに近づいて小さな声で耳打ちする。

 

 

「試験官が一人ずつについてる。だから。」

 

 

そう言うとにんまり笑った。

 

 

「わかった。俺は自分のターゲットとを見つける。」

 

 

そう言ってウインクする。

 

 

「OK。必ず合格しよう。」

 

 

「ああ。お互い点数が集まったらここにもう一度集合な。」

 

 

「わかった。約束する。」

 

 

「危ないと思ったら必ずここまで逃げて隠れろ。俺が見つけ出してやるから。」

 

 

「うん。ありがとう。じゃーあとでな。」

 

 

 

そう言って私たちは別れた。

 

 

さてと、私は上空から白虎に乗って受験者を探した。


すると海岸線近くの雑木林の中に隠れるように362番、ケンミがいた。

近くに降りて様子を見ながら、こちらに背を向けた瞬間青龍を向かわせる。

ケンミは青龍に食われて水の中に閉じ込められた。

 

 

気絶したのを確認して私は青龍を戻して、ケンミのポケットからプレートをいただいた。


まずは1枚ゲット!

そのまま上空に戻る。

次のターゲットは・・・。


いた!アモリ三兄弟。

 

 

でも確か一人はキルアのターゲットだったような・・・。

 

まーいいか。

 

 

 

少しアモリが離れたのを見計らって私は白虎に襲わせた。

白虎が飛びついた衝撃でアモリがポケットの中のプレートを地面に落とすと、それを白虎は咥えて空へと駆け上がった。

 

 

少し経ってから木の上に隠れていた私の元に白虎が戻ってくる。

これで2枚目。

次なるターゲットは。


89番シシトウ。

よし、これならみんなの邪魔にはならないはず。

私はケンミの時と同じようにシシトウを気絶させてプレートを奪った。



 

これであとは守るのみ。

キルアとの約束の場所の近くに玄武で取り囲んで大きな岩に見せかけて、中にこもった。

 

 

私は疲れていたせいかそのまま熟睡してしまった。


きっと念能力者なら岩じゃないことはバレてしまう。




ねんの為白虎を抱いて寝ていた。




「これにて試験終了です。受験者の皆様は速やかにスタート地点へお戻り下さい。」


 

 

アナウンスが島中に響きわたる。


 

 

私は玄武と白虎をしまうとキルアを探しながらスタート地点へと向かった。




「菜々実!!探したんだぜ!?どこにいたんだよ!?」


 

 

キルアは怒った顔で近づいてくる。

 

 

「ごめん。隠れてそのまま寝てもた(笑)」


 

 

苦笑いを浮かべながら答えるとがっくりと肩をおとす。


「ところで3点集められたのかよ??」


「うん。集めた。大丈夫って言ったやん♪」


 

 

そう言って私は3つのプレートをキルアに見せた。


 

「すげーじゃん。
これで全員合格だな。」


「みんなも集まったんや。良かった。」


 

 

そう言ってみんなに駆け寄る。


 

 

「俺よりみんなかよ。」


 

 

キルアはボソリとつぶやきながら私の後を追った。






またもや飛行船に乗り込むと最終試験の場である協会のホテルへと向かう事となった。


合格者10名。


飛行船の中では最終試験の予想が繰り広げられていた。


私はそれをよそにヒソカへと近づいた。


 

 

「ヒソカ。」


 

 

私が声をかけるとトランプタワーを作っていた手を止めた。


「報告。念習得したよ。」


「もう出来たのかい?
いつの間にしたんだい?」


「トリックタワーでね。実践はさっきのゼビル島で。」


「ところで君の能力教えてよ。」


「ダーメ(笑)お楽しみはとっておいたほうが楽しいでしょうが。」


私はそう言ってウインクした。


「ギタラクルさん。最終試験お手柔らかに。」


私は笑顔でイル兄に声をかけた。


笑顔とは裏腹にみんなに気づかれない程度の殺気を放って。


「クックックックッ」


ヒソカは楽しそうにその姿を見ていた。

 

 

 

 

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