キルア×風邪?×菜々実ちゃん? 前編

さて、最近急に朝晩が寒くなってきましたが、みなさん風邪ひいてませんか?

大丈夫でしょうか?

 

 

今回はキルアが風邪ひいたらど~なるか・・・。

 

 

きっと菜々実は大変なんだろ~なと・・・

 

 

 

 

「う~最近寒くなってきたな~。

ゼノさん、私先に帰って休みますね?」

 

 

「あぁ、後はわしがやっておく。」

 

 

「じゃ~よろしくお願いします。」

 

 

 

お昼過ぎ。

 

広間でゴロゴロしていた私はゼノさんに仕事の助っ人を頼まれ同行していた。

 

 

大まかな仕事は終わり時計は深夜を指していた。

 

 

私は残りをゼノさんに任せると、自分の飛行船に乗り込みククルーマウンテンへと帰路についた。

 

 

 

 

 

 

「ただいま・・・。」

 

 

 

ベッドには既に眠っているキルア。

 

 

私はその隣に潜り込むとすぐに眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

**********

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

 

 

まだ薄暗い中、協会の仕事の為に私は眠い目をこすりながらベッドから出ると静かに寝室を出て、用意を始めた。

 

 

 

用意を終えるともう一度寝室に戻ってまだ眠っているキルア髪を撫でながら小さな声で囁いた。

 

 

 

「行ってきます。」

 

 

 

 

起きる気配のないキルアの頬にそっとキスをすると違和感が・・・。

 

 

 

(熱い?)

 

 

 

私は眠るキルアを起こさないように額をくっつけるとやっぱり熱い。

 

 

 

そう言えば少し頬が赤く、息が荒い気がする。

 

 

 

 

私は慌てて冷蔵庫からアイスノンを出すとそっとキルアの頭の下に置いた。

 

 

 

 

「ん・・・菜々実?」

 

 

 

 

頭を持ち上げた事でか、冷たい感覚にか、そっとキルアの目が開かれた。

 

 

 

 

「何時からしんどかったん?」

 

 

 

よく考えれば私がベッドに入った時も、起きた時も目を覚まさなかった事に気付いた。

 

 

 

いつもなら目を覚まして抱きしめくれたり、一言二言会話をするのに、私が疲れていた事もあってその事に気付いてすらいなかった。

 

 

 

 

「昨日の昼くらいかな?」

 

 

 

眠そうな顔で私を見上げるキルアの目は少しうるんでいた。

 

 

 

 

「熱は?測った?」

 

 

 

 

「ううん。とりあえず寝てた。」

 

 

 

 

「何か作ってこようか?食べれそう?」

 

 

 

「菜々実が作ってくれるなら食べる。」

 

 

 

少し甘えるような表情に私は笑顔で答えると、体温計を渡してキッチンへと向かった。

 

 

 

「あ、会長?今日の調査報告なんやけど、日改めていいかな?」

 

『何かあったのか?』

 

「うん。キルアが熱出してさ。今まで出したこと無いからちょっと傍にいたくて・・・。」

 

『かまわんぞ。これる時に報告してくれ。』

 

「ありがとう。」

 

 

 

 

私は会長に電話を済ますと、調査団にも電話を入れた。

 

 

 

 

 

 

キッチンで雑炊を作っていると現れたのはゴトーさん。

 

 

 

「おはようございます。おっしゃっていただければお部屋までお持ちしましたのに。」

 

 

 

「いいの。キルアが私の作ったんがいいんやて。」

 

 

 

おどけて見せなが出来たての雑炊をお盆に載せ、キッチンを出ようとした。

 

 

 

「昨日からキルア様の姿を拝見していませんが・・・。」

 

 

 

 

「うん。風邪ひいたみたい。とりあえず私今日は1日家に入れるから。」

 

 

 

 

「そうですか。何かあれば声をかけてください。」

 

 

 

「ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

**********

 

 

 

 

 

 

 

ベッドに腰かけて、雑炊を冷ましながら食べるキルアの様子を見ていると、不意に目があった。

 

 

 

 

 

「そう言えば菜々実仕事は?今日協会に報告に行く日じゃなかった?」

 

 

 

 

「いいの。日変えてもらったから。」

 

 

 

食べ終わった食器を手に立ち上がろうとすると手を掴まれた。

 

掴まれた手が熱い。

 

 

 

「ん?」

 

 

 

「もしかして俺休ませた?」

 

 

 

「いいの。キルアは気にしない。」

 

 

 

「でも・・・。」

 

 

 

元から熱でうるんだ瞳が更に潤む。

 

 

「私がそばにいたいだけやから。

それよりどう?咳はあんまりしてないみたいやけど?」

 

 

 

「あぁ、身体ダルいのと、熱だけ。」

 

 

 

「そっか。一回着替える?着替え持ってこようか?」

 

 

 

「うん。頼む。」

 

 

 

食器をキッチンに持って行くと、ゴトーさんが薬を持って待っていてくれた。

私はそれを受け取ると部屋に戻って、キルアの着替えを出し、もう一度寝室へ。

 

 

 

着替えを済ましたキルアは横になって布団から顔だけ出してまた私の手を掴んだ。

 

 

 

「一緒にいてくれる?」

 

 

 

「もちろん。」

 

 

 

笑顔で答えると身体を少しずらして布団をめくっている。

 

 

(それは一緒に寝ろということか?)

 

 

私はそう思いながらも笑顔でキルアの横に身体を寝かした。

 

 

いつもなら抱きしめてもらう側が、今日は私が抱きしめる側らしく、私の胸に顔を疼けているキルア。

 

 

その姿がなんだか可愛くて思わず顔がほころんだ。

 

 

「傍にいるからゆっくり寝ぇな。」

 

 

そういって頭をなでると、安心したように寝息を立て始めた。

 

いつの間にか私も一緒に寝てしまったらしく、カーテンの隙間から覗く太陽がまぶしくて目が覚めた。

 

 

 

 

腕の中で眠っているキルアは薬が効いているのか安心した様に表情も穏やかだった。

 

 

起こさないように起き上がり、アイスノンを取り換え、私はノートPCを持ってベッドに入ると、キルアの横で資料の整理と報告のメールを確認したりと、出来る仕事をやっていた。

 

 

 

寝返りを打つキルアに様子を配りながら、仕事を続けていると不意に携帯が鳴った。

 

 

マナーモードにしていなかった携帯は明るい曲を鳴らし続ける。

 

慌てて手にするとイル兄からのメールだった。

 

 

 

~夕食どうする?~

 

 

 

そのメールに思わず時計を見ると既に6時をまわっていた。

 

 

隣にはやはり穏やかな顔で眠るキルア。

 

きっと起きてもすぐに食欲はわかないだろうと、私はイル兄にメールを返し、もう一度パソコンに向かった。

 

 

 

~キルア起きたら適当に作るから食べてて。~

 

 

 

 

 

 

それから2時間程して目を覚ましたキルアの熱を測るもまだ熱もある。

 

 

 

「夕食どうする?何か作ってこようか?」

 

 

 

「ゴトーに頼んで。菜々実は傍にいて。」

 

 

相変わらず甘えん坊なキルアに笑顔をで返事をして、ゴトーさんに電話をして軽く食べられる物をを頼んだ。