「ただいま~。」
「おぉ。イルミ・菜々実、ご苦労じゃったな。」
そう言ってリビングにいたゼノさんが出迎えてくれた。
ダダダダダダダダ・・・・・・・・・ダンッ!!!!!!!
物凄い足音と共にこれまたものすごい音でリビングの扉が開いた。
私達3人は、何事かと音を発していた張本人をソファーに座ったまま見上げた。
「キルア?」
「キル?」
「遅かったね?」
(ん??遅かった??)
「イル兄なんだよあれ!!!!???
菜々実!お前何考えてるんだ!?」
「はい?え??」
キルアが言ってる意味が分からず私は唖然としていた。
「いくら仕事だからって!お前もうバイト禁止!!」
「はい??」
キルアは手に持っていたタブレットを私に突き出しながら真っ赤な顔で青筋を立てて本気で怒っていた。
「タブレット???」
「うん。菜々実あんまりにも綺麗だったからキルに見せてあげようと思って中継してたんだ♪」
「イっイル兄!!!??」
私はイル兄の言葉に自分の身体の血が一気に引いて行くのがわかった。
「あれ?まずかった??
2人がマンネリになってないか気になったからいい刺激になるかなって思ったんだけど??」
イル兄は悪気は全くないと言わんばかりに首をクリっと傾けている。
私は慌ててキルアを振り返ると落ち着いてくれと言わんばかりに後ずさった。
「あっあの…キルア君。
私の話を…」
「こい!!!」
そう言って問答無用で私の手を無理やり引っ張って引きずる様に部屋へと連れていった。
「嫌ゃゃゃぁぁぁぁぁ~~~!!!!!イル兄の馬鹿ぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ゾル家の長い廊下には私の絶叫がこだましていた…