「探したらどうだと言うんだ。
俺を守護者にでもするつもりになったのか?」
飛影はそっと手を伸ばして私の髪にふれる。
視線の先の飛影の瞳は何かを探るような瞳。
でも押し倒されたあの日と似ているけど少し違う。
飛影の瞳は微かに揺れていた。
私の反応を確かめるようにゆっくりと飛影の顔が近づいてくると、そっと唇が重なる。
私は戸惑いがちに飛影の服をつかんだ。
目を開けると見た事もないくらい穏やかな顔をした飛影が映る。
「守護…」
言いかけた私の口はさっきとは違う深いキスによって塞がれ、その甘さに目が眩む。
何度も角度を変えたては繰り返された後、唇を割るように飛影の舌が入ってくると、思わず服を掴む手に力が入る。
「ん…んんっ…」
息をするのがやっとの状態で思わず吐息が漏れてしまう。
「そいつの代わりに俺が守護者になってやる。俺にしておけ。」
飛影は唇を離すとそっと耳元で囁いた。
あまりの驚きと嬉しさに私の頬に涙が伝って流れる。
「今すぐにとは言わん。多少なら待ってやる。」
涙をぬぐうように頬にもキスをされる。
私は言葉にならなくて首を何度も横に振った。
「そんなにそいつがいいのか?俺や蔵馬より。」
飛影の瞳がさらに揺れる。
私は次々に溢れる涙が飛影に否定の涙に映っていると気付くと、飛影の頬を両手で包むと自分からキスをした。
飛影の身体がビクリと反応する。
唇を離し目を開けると、飛影は目を見開いていた。
「鳴鈴実?」
「待たなくていい。私の守護者は飛影以外に誰もいらない。」
今度は飛影がびっくりしていて、私は珍しくて思わずクスクスと笑ってしまった。
「好きな人からもらった物は外せなかった。たとえ妖力がなくなってても。」
私はそう言って右耳のピアスに触れた。
すると飛影はゆっくりと身体を起こした。
急に離れてしまった事が不安になって慌てて身体を起こし飛影の様子を伺うと、口に手を当てあっちを向いてしまう。
「飛影??」
「少し黙ってろ。」
そう言って向こうを向いたままの飛影の耳が赤くなってる事に気がついた。
私は飛影の背中にもたれるように寄りかかった。
「一生守ってくれる?」
「守ってやる。くどいぞ。」
そう言って身体をこっちに向けると抱きしめてくれた。
「契約はくだらん大会が終わってからだ。」
「え??それでいいの?」
「今契約したらお前の力で勝ったと思われるのが気にくわんからな。」
「ふふふ。負けず嫌い(笑)」
「うるさい。」
そう言ってまた口を塞がれた。
そして飛影は私の首に顔を埋め、チクリと痛みがはしる。
「今はこの印で十分だ。」
そう言って私の首に咲いた赤い花を撫でた。
「そーいえば今日は何にも来ないね。」
「ここ2・3日は静かだ。奴らもそろそろ諦めたんだろ。
俺の存在が知れてきたはずだ。」
「なるほど。」
「お前はそろそろ寝ろ。」
私は寝室に戻る為にスッと立ち上がった。
「一緒には寝てくれないんだ(笑)」
「俺は蔵馬ほど我慢強くない。」
そう言って始めに座ってた様に柱にもたれて座ると目を閉じた。
飛影の顔はほんのり赤かった
「おやすみ。」
そう言い残して私は寝室へと戻った。