無事覚醒をした私はコエンマとの再会を果たし、霊界の張った結界から出ると、部屋を用意してもらって、今後の事が決まるまで霊界に保護してもらう事になった。
コエンマは時間が許す限り私の部屋へと来てくれていた。
いつもの様に部屋にきたと思っていたコエンマは嬉しそうな表情を浮かべていた。
「鳴鈴実、人間界での生活が決まったぞ。」
「人間界か・・・。
私魔界で探したい人が2人いるんですけど…。」
「誰じゃ?ワシも協力しよう。」
「ありがとう!!
1人は妖弧 蔵馬。
もう一人は、名前は知らないだけど、私が仙華球を受け取る数年前に邪眼を手に入れた男の人。」
「蔵馬ならわしも知っておる。
探す必要はない。
じゃがもう一人は…一度リストをあげてみることにする。」
「ごめんね?覚醒早々色々と。」
申し訳なさそうな顔をする私の頭をコエンマは撫でた。
「200年の間にさらに綺麗になったな鳴鈴実。」
「ふふ、誉めても何もでないよ~(笑)」
私は笑いながらコエンマの背中を叩いた。
「ところで探してる奴が守護者候補か?」
「うん。
受けてもらえる可能性は低いけど・・・。
でも私は200年諦められなかった。」
そう言ってあの日付けてから一度も外したことのないピアスに触れた。
「そのピアスの送り主か?」
「うん。さすがにもう妖気は抜けちゃったけど、私はちゃんと覚えてる。」
「お前の初恋だったんだな。」
「そーゆー事言葉にする?普通?(笑)」
頬が赤くなるのを実感しながら私は頷いた。
守護者とは情を交わして交わらなければならない。
こちらがどれだけ思っていても契約は成立しない。
もちろん逆でも。
だが交わるだけで相手は妖力が増幅する。
覚醒後の私がまず初めにしないといけない一番に自分の身を守る事、すなわち守護者と契約する事・・・。
「蔵馬じゃだめなのか?」
「ダメってわけじゃない。でも蔵馬は私の中でお兄ちゃん。
愛する人じゃない。」
私は昔蔵馬とした約束を思い出した。
「コエンマ約束の事なんで?」
「お前が覚醒する数か月前、奴が教えてくれたんじゃ。
初めはびっくりしたがな。
お前が今の蔵馬をみたら驚くぞ。」
コエンマは悪戯をしている子供のように楽しそうに話している。
「なんでびっくりするの?」
その問いにコエンマは私が眠りについている間、蔵馬に何があったのか教えてくれた。
話を聞いた私は心配と怒りが混ざったなんとも不思議な気分になってしまった。
「どうしたんじゃ?」
「蔵馬の傷は私が治すから、私が覚醒するまで大けがはしないって約束してたのに・・・。」
そう言いながら頬をふぐの様に膨らます。
「そうじゃったのか、今度あったら一発殴ってやれ(笑)」
「それもいいかも。そうする(笑)」
私とコエンマはそれから少し昔の話をした。