29 霊界召集 ②

 

 

 

 

「鳴鈴実です。入ります。」

そう言うと重たそうな大きなドアは中から入れと言う声と共に開いた。

「久し振りだな、鳴鈴実。」

部屋の中央にはコエンマの父である閻魔様が座っていた。

「お久しぶりです。色々御世話になっていたのに挨拶も出来なくてすいません。」

「かまわん。まーそこに座ると良い。」

そう言って自分の座る席の前を指差してくれる。

身体は大きいし、声も大きい。

見るからに怖そうな風貌だが、実際はとっても優しくて面倒見の言い人だと知っていた私は何の躊躇いもなく言われた席に腰をおろした。


「守護者を決めたらしいな。」

「はい。無事見つけられました。」

「ところで仙華球の話だが…。」

「はい。2つ所持しています。
出来れば1つは早々に受け継がせたいと思っています。
そうすれば癒術師が2人存在する事になるので。私も少し身が楽になりそうなので(笑)」

「まー最低でも215年先だがな。」

そう言って閻魔様は豪快に笑った。

「そうですね。それでお願があるんですが。」

「霊界での保護だな?」

閻魔様は分かっているとばかりに笑顔で答えてくれた。

「はい。出産から覚醒までをお願いしたいんです。
私もまだ覚醒したばかりで、母の様な立派な癒術師とはまだ言い難いので。」

「そうだな、霊界としても大事な存在だからな。」

そう言って笑うと閻魔様は徐に立ち上がり、自分の机から一枚の写真を出して手に取った。

「懐かしいの~。お前の母である千愛稀も良い癒術師だった。」

その写真には母と幼い頃の私、閻魔様にコエンマが写っていた。

「懐かしいですね。」

「ああ。やはりどこか千愛稀に似ておるな。」

「そうですか?(笑)母の方が凛としてますよ(笑)」

「お前は少し気性が激しいし、男っぽいからな(笑)
よく守護者が見つかったと思うぞ(笑)」

「ひどい!!!これでもちゃんと愛されてますからね。
厳しい契約を了承してくれたんですから。」

そう言って頬を膨らますと閻魔様はしみじみと頷いていた。

「父親の気分じゃな。また飛影とやらにも会わせてくれ。」

「会わない方がいいかも…口悪いし、態度も悪いし(笑)」

「そんなに悪いのか?」

「折り紙つきです(笑)
でも根底は仲間思いの優しい人ですよ。」

そう言って笑うと閻魔様は今にも泣きそうな嬉しそうな笑顔で答えてくれた。

「よかったな。鳴鈴実?幸せか?」

「はい。良い仲間に巡り合って、素敵な彼も出来たから。200年前の悲しみも、淋しさも今は感じていません。」

「そうか。でわ次は可愛いお前の子に会わせてもらおうかの。」

「はい。子守りお願いしますね(笑)
私と飛影の子だときっとヤンチャですよ。ふふふ。」

「お前の子守りにも相当手を焼かされたぞ。隙を見ては魔界に遊びに行っておったからな。」

「その魔界遊びも役に立ったじゃないですか♪」

「そうかもしれんな(笑)」

 

 

 

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