29 8月31日 蜘蛛と海月のエスケープ! その昼3

 

 

 

 

 

「好きなだけ飲みねェ喰いねェ、蜘蛛の衆!! ここは俺の奢りだぜェ!!」

 

 

 

 

 

 

 

上機嫌で酒瓶を掲げる海賊団船長さん。

 

 

 

 

 

 

「ああ、では遠慮無く」

 

 

 

 

 

 

どんなときでも冷静沈着、次がれる酒を淡々と受ける幻影旅団団長さん。

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

そして、私はと言えば……目の前に山と積まれた新鮮な海鮮料理に食らいつくこともできず、蜘蛛の団員11名達の物言いたげな視線を一身に受けていた。

 

 

 

 

 

 

ああああ……でも、もう限界だ、お腹空いた!! 

 

 

 

 

 

 

「なんですかもう! さっきから言いたいことがあるならふぁっひひひいははひいひゃはいへふは!!」

 

 

 

 

 

 

「エビにかぶりつきながら喋るなね! 全く……皆が聞きたいことは1つよ、ポー」

 

 

 

 

 

 

「お前、海賊団の船長とどういう関係だよ?」

 

 

 

 

 

 

丸蒸しにしたワタリガニの甲羅をベリッと剥がしながら、フィンクスさん。

 

 

 

 

 

 

フェイタンさんの言うとおり、他の団員達も聞きたいことは同じらしく、料理に手をつけながらも耳をそばだてている。

 

 

 

 

 

「どういう関係って言われても……さっきから、必死に思い出そうと思ってるんですけど、どうしても思い出せないんですよ。そろそろパクノダさんにお願いしようかなって思い始めてたくらいです」

 

 

 

 

 

 

「私の能力を物忘れ程度に使わせないで頂戴」

 

 

 

 

 

 

ため息混じりに言い捨てて、パクノダさんは熱々のホタテのハーブ焼きにフォークを伸ばし、グラスに注がれた白ワインに口をつけた。

 

 

 

 

 

 

ちなみに、お酌その他、料理のサーブ諸々は海賊団の団員さん達がやってくれていたりする。

 

 

 

 

 

 

そして、どんなに強面の団員さんでも、私と目が合うたびに「先生、その節はありがとうございました!!」と、深々と頭を下げてくれたりしている。

 

 

 

 

 

 

その節……? 

 

 

 

 

 

 

「駄目だ……ぜんっぜん思い出せない……!!」

 

 

 

 

 

 

「ったく、薄情な奴だな」

 

 

 

 

 

 

豪快に丸揚げにされた真鯛のトマトソースがけに、お頭からバリバリとかぶりつきながらウボォーさん。

 

 

 

 

 

 

「本当だよ。海賊連中って仲間意識が強い分、余所者に関しては徹底的に非道なんだ。そんな彼等にここまでされるほど恩を売っておいて、全く覚えがないなんて、ある意味団長クラスだね」

 

 

 

 

 

 

丁寧に蒸されたイワガキに、レモンとお塩を一つまみ……毒舌とともに、美味しそうに食べるシャルナークさん。

 

 

 

 

 

 

「まあ……団長の場合は恩じゃなくて仇だけどね……」

 

 

 

 

 

 

ホワイトソースで煮込まれた白身魚とキノコのスープに、ざっくり焼きたてのパンをつけては髪の間に放り込むコルトピさん。

 

 

 

 

 

 

だって……そんなこと言われたって……!!

 

 

 

 

 

 

「ふぉふぉへへはひほほはひょうははひははいへふは……ッ!!」

 

 

 

 

 

 

「ポー、カキフライを口に詰め込んだまま喋るな。行儀が悪い。ノブナガも、大皿の料理を取るときはレンゲを使え。マチ、シズク、さぐり箸はやめろ。フェイタン、ピーマンもちゃんと食え」

 

 

 

 

 

 

淡々とした厳しい指摘はフランクリンさんだ。大柄の体躯とは裏腹に、完璧かつ美しい作法によって、ヒラメのお刺身を食べていく。

 

 

 

 

 

 

カキフライを平らげ、ロブスターのチリソースがけをつめこみながら必死に唸る私に、船長さんが声をかけた。

 

 

 

 

 

 

「先生が俺達を覚えてねェのも仕方のねェ話さァ……そこの窓から潜水艦が見えるだろォ。あれを見りゃァ、思い出すンじゃねェかい?」

 

 

 

 

 

 

「潜水艦?」

 

 

 

 

 

 

ひょい、と言われた窓から顔を出すと、店の真裏の運河に、真っ赤な小型潜水艦が数隻並んでいた。

 

 

 

 

 

変わった形状だ。本来は流線型であるはずの潜水艦の先端がスッパリと切り落とされ、ゴム製の吸盤と岩盤掘削機を思わせる板状ドリルの歯が覗いている。

 

 

 

 

 

側面に赤い鮫のマーク。

 

 

 

 

 

こ、この特徴的な潜水艦には……確かに、見覚えがある!

 

 

 

 

 

 

「あ―っ!! おも、思い出した!! 特殊潜水艦レッドシャーク! 6月のグランドデール海、水深1000メートル付近でテイオウコウイカの大群に襲われてたやつだ!! すごいんですよ、目標の潜水艦に近づいて、あの先端に取り付けられた吸盤とドリルでドッキングすると同時に、穴を開けちゃうんですから! まるでそう……ヤツメウナギみたいに!」

 

 

 

 

 

 

「……いや、そこは鮫にしといてやれ」

 

 

 

 

 

 

気の毒だ、と団長。

 

 

 

 

 

 

「そっか……だから顔を見ても思い出さなかったんだ。あの時は、直接会ってなかったですよね」

 

 

 

 

 

 

「海底海賊【紅鮫】船長のガルドランだ。その節は世話になったなァ、ポー先生」

 

 

 

 

 

 

あれからもう、三ヶ月か……と、船長。

 

 

 

 

 

 

「テイオウコウイカ……60年に一度、大深海に棲む化け物のようなイカ共が交尾の為に大群で浮上してくる。近隣国の海軍の目を避けて航海していた俺達ァ、不幸にも、その日に偶然ブチ当たっちまったのさァ……体長60メートルをざらに超えるイカ共が、エンジン音に気を立たせ、艦を締め上げ、スクリューに絡みつけてきやがった。イカの口ってのァ鋭くてよ、あいつらのは鋼鉄でも砕いちまう。もうこいつァ、どうにもしようがねェってときに、先生が――潜水艦の窓を叩いてくれたんだ」

 

 

 

 

 

 

「水深1000メートルの深海まで素潜りか」

 

 

 

 

 

 

「わ、私にとっては昼下がりのコーヒーブレイクのように穏やかなんですぅ!」

 

 

 

 

 

 

だからそんな、初めてナマコを食べる人を見たような目で見つめないで下さいってばクロロ団長……!

 

 

 

 

 

「俺も、その時ァ幻でも見てんのかと自分の目を疑ったぜェ。その後の手際も見事でなァ、先生は弟子の生徒さん方を従えて、あっという間にイカを締め上げ、襲われていた潜水艦全てを救い出してくれたんだぜェ……だが、不覚にもその時の衝撃で俺ァ気を失っちまった。おかげでろくに礼も出来ず、本当に悪かったァ……!!」

 

 

 

 

 

 

「いえいえ! そんな、お気になさらず。こちらも、船長さん達が襲われてくれていたお陰で、ハンター協会から討伐許可をもぎ取ることが出来たんですから! テイオウコウイカは特にレアな特定指定生物ですからね。接近許可は勿論、捕獲する許可だって取るのは難しいんですよ。だから、こっちも助かったんです。ウィンウィンってやつです」

 

 

 

 

 

 

焼きたて熱々のヤリイカのニンニクバター炒めを頬張りながら、にっこり笑うと、ガルドラン船長は青い色の瞳を少し潤ませた。

 

 

 

 

 

 

「ったく……さっきの事といい、いくら感謝してもし足りねェ。こうして再会できたのも何かの縁だ。先生よォ、何の因果で蜘蛛の衆とつるんでるのかは聞かねェが、差し詰め、明日のオークションで一稼ぎしようって魂胆だろう。俺達の持つ情報なら、いくらでも分けてやるぜェ」

 

 

 

 

 

 

おい、あれを持ってこい、と船長。速やかに団員達が用意したのは、大きな海図だった。

 

 

 

 

 

 

陸地の形から見て、ヨークシン近海のものだ。

 

 

 

 

 

 

海の部分に、赤い印が幾つも点在している。

 

 

 

 

 

 

「この印が、無人潜水艇……通称カプセルポッドの滞在位置だァ。どの宝がどのポッドに積まれているかまでは分からねェ。だが、近づいて見れば、何かしら印があるだろうさァ。競りが始まればポッドは陸に引き上げられちまうが、今ならまだ間に合う。表層は海軍共が見回ってやがるから、深海(した)から狙いなァ」

 

 

 

 

 

 

「へ……?」

 

 

 

 

 

 

「なるほど。宝は今現在、海中にある……と。地下オークションの出品物も同様にか?」

 

 

 

 

 

 

「詳しくは知らねェが、ヤバイ代物ならなおさら陸に保管するような真似はしねェだろうさ。この時期にゃあ毎年、お前さん達みてェな輩がオークションのお宝目当てに押し寄せるからなァ。お宝を街に輸送するのも一苦労だが、今年はカプセルポッドを使った海底航路輸送が採用されたこともあって、陸の悪党は指を咥えて眺めてるしかねェって話さね――まァ、海底海賊にとっちゃァ、がっぽり稼げて有り難い限りだがなァ!」

 

 

 

 

 

 

「ほう……?」

 

 

 

 

 

 

……はっ!? ま、まずい。今、クロロ団長からちょっとだけ盗賊オーラが滲み出た!

 

 

 

 

 

 

「では、俺達盗賊が指を咥えて眺めている間に、オークションのお宝は全てお前達が盗んだ、というわけか」

 

 

 

 

 

「馬鹿抜かせ! 紅鮫はお宝なんざに興味はねェよ。美術品を愛でるような趣味はねェし、流せばすぐに足が着く。狙うなら現金ポッドだ。現金払いしか認めねェ競りが多いお陰で、世界中から金が集まって来る。例年は陸路と船での海路に分かれちまうから、同業者同士で取り合いになるが、いやあ、今年は楽に稼げたぜェ!」

 

 

 

 

 

 

ダッハッハ、と上機嫌なガルドラン船長の言葉に、内心でほっと胸をなで下ろす。

 

 

 

 

 

 

よかった……こんな所で海賊団相手にお宝の取り合いなんてことになったら、暗黒街ごと吹き飛ばしかねないよ。

 

 

 

 

 

 

でも、これってどういうことだろう?

 

 

 

 

 

 

原作にはそんな設定なかったよね……?

 

 

 

 

 

 

「あの、どうして今年に限って海底航路を使った輸送方法が採用されたんですか? 美術品には気圧や気温の変化に弱い物も多いでしょう?

 

 

 

 

 

 

「何言ってんだァ? カプセルポッドの開発には、先生の研究室も関わってんじゃねぇかよ。大手企業との共同開発で完成した、従来とは比べものにならないほどの強度と気密性、安全性を有する海底無人探査艇――それが元になってるって話だぜェ?」

 

 

 

 

 

 

「あ」

 

 

 

 

 

 

思い当たる節がありすぎる………!! でも、それって、私がこの世界に来てやったことが、多かれ少なかれストーリーの進行に影響を与えてるってこと?

 

 

 

 

 

 

たらーり、と冷や汗を流す私の隣で、クロロ団長は注がれたワインを静かに飲み干した。

 

 

 

 

 

 

「要するに、お前のせいで俺達陸の盗賊団は、ぞくぞくと集まってくるオークションのお宝を前に、指を咥えて眺めているしかなくなってしまったと言う訳か」

 

 

 

 

 

 

「はあああああ!? し、しょうがないじゃないですか! こんなことに影響してくるなんて思いもよらなかったんですからあああ!!」

 

 

 

 

 

 

蜘蛛から集まる冷たい視線に耐えきれず、凍り付く私……これが、バタフライ・エフェクトというものか。

 

 

 

 

 

 

なにげない小さな行動が、やがて、未来に大きな変化を生むってやつだ。

 

 

 

 

 

 

「でっ、ででででもでも、お宝の保管場所がちょーっと海に変わっちゃっただけだから、蜘蛛にとっては大した事ないですよね!?」

 

 

 

 

 

 

ねっ! と全力で同意を求めると、クロロ団長は意地悪そうに笑いながらも頷いてくれた。

 

 

 

 

 

 

「ああ、問題ない。俺達が動くのはオークションが開始された後だ。その頃には、お宝は全て陸の上に回収されているのだろう。会場を襲う分にはなにも変わらない」

 

 

 

 

 

 

よ、よかったあ~!

 

 

 

 

 

 

ほっと息をついたのもつかの間、一連の話を聞いていたガルドラン船長と手下の海賊さん達が、一斉に「はあ!?」と素っ頓狂な声を上げた。

 

 

 

 

 

 

「お前等、馬鹿か!!? ここら一帯では海神(わだつみ)の名で知られるポー先生を味方につけておいて、なんでわざわざ陸で盗むってんだァ!? 海に行け、海に!! 先生がいるなら潜水艦も必要ねェ。表層に海軍共がうろついていようが、ちょっと潜るだけで全ポッドごっそり盗って来られらァ!」

 

 

 

 

 

 

「盗賊だからだ。他に理由はない」

 

 

 

 

 

 

かっこいいんだか、そうじゃないんだか。ビシリと真顔で言い切るクロロ団長に、天を仰いで唸りを上げるガルドラン船長。

 

 

 

 

 

 

「もったいねェ……釣りたてのブリをフライにするくれェもったいねェ」

 

 

 

 

 

 

「ああ、確かに! そこはお刺身で食べたいです」

 

 

 

 

 

 

「だろォ? 先生よォ、盗賊と組むくらいなら俺達と組め! 取り分は弾むぜ?

 

 

 

 

 

 

「うちの団員を勝手に勧誘するな。海賊には理解できないだろうが、陸の盗みには陸の盗みの楽しみがある。常日頃、海に潜ってばかりのこいつにもそれを教えてやろうと言うわけだ。邪魔立てをするつもりなら、容赦はしない」

 

 

 

 

 

 

「……そりゃァ、酔狂なこった」

 

 

 

 

 

 

はああ~、と深いため息をついて、ガルドラン船長は少し真面目な顔つきになった。

 

 

 

 

 

 

 

グラスの残りを飲み干して、先生、と改まって言う。

 

 

 

 

 

 

 

「地下オークションを狙うつもりなら、気をつけねェ」

 

 

 

 

 

 

「はい……まあ、マフィア相手に喧嘩売るようなもんですからね」

 

 

 

 

 

 

「そうじゃねェんだ……その、こいつァ海賊の間での噂話なんだがな」

 

 

 

 

 

 

「噂?」

 

 

 

 

 

 

「ああ……」

 

 

 

 

 

 

頷くものの、船長の口からはなかなか次の言葉が出てこない。気がつけば、今まで周りで騒いでいたはずの海賊達も、じっと押し黙っている。

 

 

 

 

 

 

でもやがて、意を決したように口を開いた。

 

 

 

 

 

 

「今回のオークションには、とあるいわく付きの品が出品されるってェ話なのさ。そいつはこのヨークシンシティが、古代海洋国家だった頃からの遺物でな。公にはできねェような代物だ。今までも、闇のオークションに流れては競り落とされ、その度に何人もの人間の命を奪ってる」

 

 

 

 

 

 

「ええっ!? そ、そんな怪しい品が、明日の地下オークションに……!? い、一体何なんですか、それは?」

 

 

 

 

 

 

「あくまで噂だぜェ?」

 

 

 

 

 

 

ワインを瓶から直に飲み干しつつ、ガルドラン船長はニヒルに笑む。

 

 

 

 

 

 

「先生も知っての通り、俺達船乗りは迷信深い。そいつァ、口に出来ねえ代物なのさ。そうだ、昨夜の異変はもう耳に入ってンだろう。この時期にゃあ珍しいほどの濃霧の中、得体の知れねぇ海鳴りが響き渡った。霧と聲、と言えば、海人の先生にゃあピンとくるはずだ……不吉だねェ」

 

 

 

 

 

 

「海鳴り? そう言えば、さっき会った生徒達も同じようなことを――って、まさか、それで早々と仕事を引き上げて打ち上げですか?」

 

 

 

 

 

 

「まァな。だが、それだけじゃねェ。金は充分すぎるほど稼いだ。これ以上は船が沈んじまわァ」

 

 

 

 

 

 

かっかっかっ、と笑いとばし、豪快に酒を仰ぐガルドラン船長である。彼の隣で、クロロ団長は食後の珈琲を優雅に傾けながら、少しだけ目を光らせた。

 

 

 

 

 

 

「霧と聲?」

 

 

 

 

 

 

「海では一番と言っていいほど有名な魔物の伝説ですよ。たぶん、クロロ団長さんも聞いたことがあるはずです。綺麗な歌声で船乗りを誘い、命を奪う魔物!」

 

 

 

 

 

 

「ふむ――人魚か」

 

 

 

 

 

 

「はい。船長さん達があえてその名前を出したがらないのは、呼ぶと寄ってくるって言い伝えを信じているからでしょう。彼女たちはとても、耳がいいそうですからね。でも、それがいわく付きのお宝なんですか? まさかと思いますけど、水揚げされた人魚が地下オークションで競りに出されるなんてことはないですよね?」

 

 

 

 

 

 

「さァてね」

 

 

 

 

 

 

「……なるほどな、言いたいことは理解した。そうか、人魚か。あれが今回の地下オークションに――ククッ、実に面白い」

 

 

 

 

 

 

「団長さん……?」

 

 

 

 

 

 

クククク、クククク……と、まるでどこかの奇術師さんさながらの不気味さで、肩を震わせるクロロ団長。

 

 

 

 

 

 

どうしよう、と見回すものの、他の団員達は素知らぬ顔でデザートを口に運んでいる。

 

 

 

 

 

 

い、いつものことなんだろうか……。

 

 

 

 

 

 

それにしても、人魚がオークションに出品だなんて噂、本当だろうか。目撃例は多いけど、実際にそういう魔物が捕まったとか、死体が上がったなんて事実はただの一度だって確認されてないのに。

 

 

 

 

 

 

でも、もし本当なら……見てみたいかも、だけど。

 

 

 

 

 

  

自分の世界に引きこもり、何やらブツブツと不気味に呟いている団長をとりあえず見守ること数分。

 

 

 

 

 

 

突然、彼は勢いよく席を立った。

 

 

 

 

 

 

そして、悪戯を思いついた少年のような顔で言ったのだ。

 

 

 

 

 

 

「喜べ、ポー。今回のターゲットが決まったぞ!」

 

 

 

 

 

 

「へ!?」

 

 

 

 

 

 

あっけにとられる私をよそに、おお、漸くか、と続いて立ちあがる団員達。

 

 

 

 

 

 

な、なにがなんだか分からないけど、とんでもないことが決まっちゃったような気がする……!